EnglishGrammarFixer
日本人向け仕事英語AI

BLOG

2026-04-16

TOEIC高得点でも英語が書けない理由

少し前に、こんな話を聞きました。TOEIC 820点を持っている知人が、海外の担当者に3文だけ返信しなければならない場面で、30分近く止まったというのです。内容は簡単なスケジュール確認で、言いたいことも分かっている。でも、いざ英語で書こうとすると手が動かない。「英語が得意なはずなのに」という感覚が、余計に焦りにつながったと言っていました。

これ、珍しい話ではありません。TOEIC 600点台でも700点台でも、同じことを言う人は多い。スコアを積み重ねてきたのに、書く段になるとどこか頼りない。模試は解けるのに、メール一通が出てこない。この感覚は、TOEICが悪いわけでも、その人の努力が足りなかったわけでもなく、そもそも測っているものが違うからです。

TOEICが測っているもの

TOEICのスコアは、英語を「受け取る力」の指標です。音声を聞いて意味を取る、文章を読んで内容を理解する。どちらも、先に英語が来て、自分がそれに反応するという構造です。

ライティングはその逆です。何もないところから、自分が英語を作り出さなければならない。相手がどんな英語を使うかは関係ない。辞書を引いても、似た例文を探しても、結局最後は自分の手で文を組まないといけない。「インプット力」と「アウトプット力」は、使っている筋肉が全然違います。

走ることは得意でも、泳ぐのは別の話、という感じに近いです。両方「運動」ですが、体の使い方がまるで違う。TOEICで高得点を取ることと、英語で文章を書けることは、どちらも「英語力」の話でありながら、求められているものがかなり異なります。

テスト勉強で英語を覚えてきた場合の落とし穴

日本の英語教育は、テスト対策と切り離せないです。中学、高校、受験、TOEIC。長い時間をかけて英語を勉強してきた人のほとんどは、「正解を選ぶ」訓練をかなりやっています。4択から選ぶ、並び替える、穴埋めする。この形式では、答えは必ず存在していて、自分はそれを見つければいい。

でも英語ライティングには、選択肢がありません。"I would like to confirm the meeting scheduled for..." と書くか、"Just checking — are we still on for..." と書くかは、自分で判断しないといけない。正解があるのではなく、文脈や相手や状況を読んで、自分が組み立てる。このプロセス、テスト勉強ではほぼ練習しません。

その結果、英語の知識はあるのに、使い方が出てこないという状態が生まれます。単語は知っている。文法も分かる。でも実際に書こうとすると、なぜかスラスラ進まない。知識はインプットの形で入っているので、アウトプットのときに取り出しにくいのです。

TOEICが教えてくれないこと

もう少し具体的に見てみると、英語ライティングに必要なのに、テスト対策ではほぼ触れないことがいくつかあります。

まず、能動的な語彙の選択です。TOEICでは単語の意味を問われることはあっても、「この場面ではどの単語を使うか」を自分で判断する問題は少ない。たとえば「了解しました」を英語で書く場面一つとっても、"Understood." "Got it." "Noted." "Will do." "Sure thing." など、トーンも状況も全部違う選択肢があります。どれが正しいという問題ではなく、場面に合うものを自分で判断する力が要る。これはテストでは鍛えられません。

次に、トーンのコントロールです。書いた英語が「冷たく見えないか」「強すぎないか」「逆にへりくだりすぎていないか」を判断する感覚は、大量の英語を読んでいるだけでは身につきにくいです。受信側として英語を処理し続けていると、その感覚がなかなか育たない。書いてみて、フィードバックをもらって、少しずつ調整するという経験が必要です。

それから、文の組み立て方のパターンです。英語には「状況→理由→お願い」「結論→補足→締め」のような、なんとなく自然な流れがあります。日本語の文の組み立て方とは少し違うので、日本語の感覚で英語を書くと、構造として読みにくかったり、回りくどくなったりする。こういうパターンは、書く練習をしながら少しずつ体に入っていくものです。リスニングやリーディングだけでは、意識が向きにくいです。

スコアと「使える英語」のギャップが広がりやすい理由

日本でTOEICを軸に英語を勉強してきた場合、勉強時間の多くはインプットに使われます。単語帳を覚える、模試を解く、音声を聞き込む。これ自体は悪くないですし、TOEIC対策としては有効です。でも、アウトプットの練習——つまり「自分で英語を作り出す」時間は、相対的に少ないことが多い。

しかも、スコアが上がると「もう英語は大丈夫」という感覚が生まれやすいです。600点台の人は「まだ勉強が足りない」と思っていても、800点台になると「英語は一段落した」と思いがちです。でもライティング力は別のところにある。「英語は大丈夫なはず」と思っているのに書けないという現実との落差が、余計に混乱を生むことがあります。

正直なところ、スコアが高い人ほどこのギャップに戸惑うことがあると思っています。スコアが低い時期は「まだ勉強中だから書けなくて当然」と納得できる。でもスコアが上がった後に書けないと、「自分はどこかがおかしいのか」と感じてしまう。おかしくはありません。ただ、測ってきたものと、今必要なものが少しズレているだけです。

ギャップを埋めるために実際に効くこと

では、どうすればいいのか。大きく言うと、「インプットと同じくらいアウトプットに時間を使う」ことです。ただ、これだけだと漠然としているので、もう少し具体的に見ていきます。

一番直接的なのは、毎日少しでも英語を書くことです。仕事のメールでも、日記でも、SNSの投稿でも、なんでもいいです。大事なのは量より習慣で、一行でも「自分で作った英語」を出す経験を積むことです。最初は遅くていい。30分かかってもいい。書いているうちに、少しずつ「どう組み立てるか」の感覚が育っていきます。

ただ、書くだけだと「自分の英語が変かどうか」が分からないまま進んでしまうことがあります。ここで役に立つのが、書いた英語に対してすぐフィードバックを受ける仕組みです。日本人向け英文チェッカーのようなツールに入れてみると、文法のズレや不自然な表現をその場で確認できます。自分では気づかなかった癖が見えてくることが多い。添削の代わりとして使うのではなく、「今書いた英語の精度を一度確認する」くらいの使い方が実用的です。

英語を書いていて「なんか読みにくい」「もう少しこなれた感じにしたい」と感じたときは、英語ビジネス文の言い換えツールで別の表現を見てみると、語彙の幅が広がりやすいです。自分が思いつかなかった言い回しに触れることで、「こういう表現もあるのか」という引き出しが少しずつ増えていきます。単語帳で覚えるより、実際に自分が書いた文章の言い換えを見るほうが、記憶に残りやすいと感じます。

あとは、フォームを崩してもいいから書き続けることです。完璧な英語を書こうとすると止まります。「正しいかどうか分からないけど、まずこう書いてみる」という感覚を持てると、アウトプットの量が増えます。間違えてもいいです。後で確認すればいい。ライティングで伸びる人は、うまい人より「書いた量が多い人」のことが多いです。

TOEICは通過点、書けることがゴール

TOEICのスコアが意味ないとは思っていません。就職や転職、社内の昇格基準として使われる場面では、スコアは確かに役に立ちます。ある程度の英語力を示す指標として、社会的に通用するのも事実です。

ただ、「英語ができる」の中身として、ライティング力はスコアとは別に育てていく必要があります。TOEICで高得点が取れても英語が書けない、というのはおかしな話ではなく、測っているものが違うから起きる当然の結果です。そこに気づけると、「自分はダメだ」ではなく、「足りていない部分が分かった」という話になります。

私がいちばん大事だと思うのは、書けなくて当然という状態からスタートすることです。スコアがあっても書けない、という現実を受け入れてから、書く練習を積み上げる。焦る必要はないです。ただ、「英語が読めるのに書けない」という感覚がある人は、読む時間を少しだけ書く時間に回してみるのが、手っ取り早い改善策だと思います。

まず何か一つ英語で書いてみて、日本人向け英文チェッカーで確認してみる。これだけでも、「自分の英語がどういう状態か」が見えてきます。スコアとは全然違う発見があると思います。

英語ライティングの実力を上げる過程で、応募書類が必要になる場面もあります。外資系・海外求人向けの書き方は英語カバーレターの書き方にまとめています。

RELATED ARTICLES

あわせて読みたい記事

ブログ一覧を見る

2026-04-17

英語カバーレターの書き方:採用担当者が読みたくなる7つのポイント

英語カバーレターの書き方:採用担当者が読みたくなる7つのポイント 知り合いが昨年、外資系企業への転職活動をしていました。TOEICは780点あって、英語でのやりとりも普段から問題ない。でも英語のカバーレターを送り始めて3週間、面接の連絡がほ...

記事を読む

2026-04-18

「お世話になっております」の英語表現:ビジネスメールで使える自然なフレーズ10選

「お世話になっております」の英語表現:ビジネスメールで使える自然なフレーズ10選 英語でビジネスメールを書くとき、まず迷うのがこの書き出しです。「お世話になっております」は日本語のメールでは定番ですが、英語に直訳するとどうしてもぎこちなくな...

記事を読む